【感想】『風の歌を聴け』(2004,村上春樹)
<<ネタバレ有り>>
なんだろうこの小説は。
特に大きな事件は起きない。
一言でまとめてしまうとするならば「ひと夏の青春」なのだが、
そんな爽やかそうなものではないし、単純でもない。
僕、鼠、女、に共通しているのは、決して今に満足していない。
また、すぐに倒れてしまいそうなぐらい、その存在がとても弱々しく感じられる。
状況を一変させるのは難しい。すべてを捨てることはとても勇気がいる。
だから私たちはビールを流し込みながら今日も生きていく。
「あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。
僕たちはそんな風にして生きている。」
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/09/15
- メディア: 文庫
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