『広瀬流四間飛車穴熊勝局集』(広瀬章人,2011)―四間穴熊党は必ず読むべし!

広瀬流四間飛車穴熊勝局集

広瀬流四間飛車穴熊勝局集

本の概要

 広瀬八段の四間飛車穴熊の勝局のみ50局分(自戦記20局+棋譜解説30局)解説されている自戦記集。

四間穴熊党は全員読め!

 深浦との王位戦や羽生との挑戦者決定戦など、四間穴熊で勝ちまくっていた時期の棋譜が50局も紹介されている。
 現代四間飛車穴熊の全てがここにあると言っても過言ではないほどの出来。序中盤の綿密な駒組みや終盤の感覚などを広瀬八段自身が解説している。
 自戦記編(20局)では1局平均13ページを使って当時の心境や読み筋を語っている。棋譜解説編(30局)では見開き2ページで、大事な手に一言コメントをつけている(将棋年鑑のような形式)。
 
 並べていて眼を見張るのはその終盤力。広瀬八段は四間穴熊の序盤を変えるとともに終盤の常識も変えたと思う。
 四間穴熊党はこの本を全部並べて感覚を養うとよい。もっと言うとこの棋譜集を並べない限り現代四間飛車穴熊を自分のものにするのは難しいと思う。