『これからの相矢倉』(畠山鎮,2015)を参考に矢倉の歴史を簡単にまとめてみた
目次
第1章 矢倉▲3七銀まで
第1節 ▲7七銀と早囲い
第2節 △5三銀右急戦・消えた△2二角型
第3節 ▲3七銀に△4三金右
第4節 ▲3七銀に△8五歩第2章 ▲4六銀をめぐる攻防
第1節 旧△2二玉型
第2節 △3一玉・8五歩型
第3節 △3一玉・5三銀型
第4節 新△2二玉型第3章 これからの▲4六銀
第1節 宮田新手以前
第2節 宮田新手
第3節 Ponanza新手と最新の▲1四歩
1.1「▲7七銀型と早囲い」
▲7七銀型から早囲いをねらっていく先手
→後手は急戦で対応するのが有力
→先手は早囲いを諦める&矢倉中飛車に対応するために手損をしなければならない
→▲7七銀型にするメリットが少ない
→▲6六歩型が採用されるようになった
1.3,1.4,1.5「▲3七銀に△6四角以外の手」
いろいろあって△4三金右と△8五歩が廃れる
→△6四角が主流になる
2.1,2.2,2.3,2.4「▲4六銀をめぐる攻防」
加藤流(対△5三銀型)は▲1七桂~▲2五桂に△3三桂が新工夫。これを看破するまでは指せない
→主流が▲4六銀に移る
→△4五歩とすぐに銀を追い返す
→△2二玉型、△3一玉△8五歩型に対して先手はすぐ▲4六歩、▲4八飛~▲4六歩ともに有力
→△3一玉5三銀型は難敵だが、▲1六歩からの虎刺し、▲4六銀と出る小林流ともに有力
→最近になって△2二玉型が復活!△4五歩の将棋はこれからも指され得る
3.1「宮田新手以前」
後手は△4五歩がダメなら▲4六銀▲3七桂型を甘受して指すしかない
→△8五歩型に先手は穴熊に潜るのが有力(△8五桂の筋が無くなるから成立する)
→△9五歩型は難敵。▲2五桂が成立するかどうか
→宮田新手(じっと▲6五歩)が発見されて主流がそちらに移る
3.2「宮田新手登場」
△9五歩型に対して▲6五歩型(宮田新手)の登場、▲6四歩と突く手が良い手になる
→△6四同角は後手芳しくない、△6四同歩に命運をかける
3.3「Ponanza新手とその対抗策」
△6五歩~△3七銀というPonanza新手で後手有力!
→先手は▲1三歩を▲1四歩に代えて対抗する
→これがダメなら先手は宮田新手以前の手(▲2五桂)に頼ることになる
まとめ
先手はとにかく▲4六銀と出て後手の対応を確かめる。
後手の対応によって、△4五歩の将棋か▲4六銀▲3七桂型の将棋に分かれる。
2015年2月現在は後手の△4五歩に対する先手の対策待ち。(参考棋譜)
先手が芳しくないなら加藤流や森下システムがまた見直されるかもしれない。
△4五歩の将棋は新△2二玉型への対応策を考えておかなくてはいけない。
▲4六銀▲3七桂型の将棋は△8五歩型への対策と、△9五歩型に対して
宮田新手を使うかどうかを決めておいたほうがよいだろう。
これはよい本
今回参考にさせていただいた『これからの相矢倉』は本の厚み以上に内容が濃いと思った。
詰め込める情報量に限界はあっただろうが、
矢倉の歴史をなんとか理解してもらおうという真摯な情熱を感じた。
これを機に私も矢倉を指してみたい。
- 作者: 畠山鎮
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