『四間飛車を指しこなす本3』(藤井猛,2000)―対持久戦を指しこなす

四間飛車を指しこなす本〈3〉 (最強将棋塾)

四間飛車を指しこなす本〈3〉 (最強将棋塾)

概要

 旧藤井システムと、四間飛車vs「左美濃」「5筋位取り」「玉頭位取り」次の一手形式で解説した定跡書。

四間対持久戦の良書

 第一章 藤井システム
 2000年当時のシステムなので今通用するかといわれると微妙だが、居飛車が無策な変化を解説しているのは今となってはありがたい。


 第二章 左美濃完全撃破
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 第二章からが本書は素晴らしい。本章では▲2八玉型と▲3九玉型(対左美濃藤井システム)を解説している。特に▲3九玉型は有力な作戦で、これを覚えておけばvs左美濃はドル箱戦法になるだろう。▲3九玉型をもっと深く知りたい場合は藤井システム―升田幸三賞受賞戦法 (MYCOM将棋文庫)に詳しい。
 ▲2八玉型も応用範囲が広い指し方で覚えておいて損のない戦型。


 第三章 5筋位取り
 主要な変化や特有の手筋をしっかり解説している。歩の頭に出る▲5六銀などは知っていないとなかなか指せない。
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 第四章 玉頭位取り
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 ▲6六銀型と石田流にする形を解説している。

総評

 本書は四間飛車党の対持久戦一冊目として完成度が高い。主要な変化は解説されているため、これを叩き台として各自研究していくのがよい。本書以上の情報が知りたければ、藤井システム―升田幸三賞受賞戦法 (MYCOM将棋文庫)四間飛車の急所〈1〉 (最強将棋21)を読むとよい。