【感想】第8回朝日杯将棋オープン戦準決勝・決勝
3局ともとても面白かったので。(一旦下書きに埋もれて投稿がこのタイミングになってしまった)
渡辺明二冠 対 豊島将之七段 【相矢倉】
2015年2月14日 準決勝 渡辺明二冠 対 豊島将之七段|第8回朝日杯将棋オープン戦
将来の名人候補、豊島七段。しかし意外なことに棋戦優勝はまだ一回もありません。
そろそろ爆発してほしいところです。電王戦はほんとにありがとう。
対する渡辺二冠。私の中ではヒールです。しかし強い、強すぎる。
そういや渡辺さんもボナンザに勝ってた。ありがとう。
戦型は相矢倉。最近は先手が苦戦していると聞きますがどうなんでしょうか。
豊島七段は30手目、32手目と端歩を突き越します。
定跡厨としてはここがわからないですねえ。
△4三金~△2二玉と入るのが先手にとって強敵なはず。
43手目まで来てしまえば「トラ刺し」の形で後手面白くないはずなんですが。。。
(これからの相矢倉102頁から参照)
もちろん豊島七段が知らないはずはないのでなにか用意があったんでしょう。
それが52手目の△2四歩なのかどうかは定かではありません。
▲4六歩は味よし。形成は先手に傾きます。
そこからは渡辺さんの独壇場という感じ。形成自体は難しいんでしょうが、
攻めのつなぎ方が圧巻でヤバイしか感想がでません。
最後は香車の犠打まで出て渡辺勝ち。
羽生善治名人 対 伊藤真吾五段 【先手中飛車】
2015年2月14日 準決勝 羽生善治名人 対 伊藤真吾五段|第8回朝日杯将棋オープン戦
泣く子も黙る羽生名人。下克上のイトシン。
燃える展開です。
戦型は先手中飛車の前田流でした。角を交換して一歩持つというわかりやすい戦型です。
アマチュアレベルではかなり先手勝ちやすいと思います。
しかしまあ▲7七銀の段階で△7三桂と跳ねられているので居飛車も不満なしですか。
▲6七銀▲7八金という形にしますが、この形は▲7八金の扱いがとても難しい。
本譜のように▲5六銀と出た形がどうしても違和感があります。
45手目は▲8九飛としておいて、▲6八金や▲5八銀や銀冠を目指すのが
アマチュア的には勝ちやすいのかな―と思ったりしてます。
45手目▲4五歩はなかったのかなー。流石に軽そうだけどこの突き得のような気もする。
両取りがかかって試合終了という感じ。残念でした。
羽生善治名人 対 渡辺明二冠 【先手中飛車】
2015年2月14日 決勝 羽生善治名人 対 渡辺明二冠|第8回朝日杯将棋オープン戦
合計六冠対決。結局この二人かよ―。
一直線穴熊に対して穴熊+浮き飛車の形。
難しい指し方ですが▲7七桂が入ってる状態で戦いに入れたので振り飛車としてはまずまずだと思いました。
▲5二銀が絶妙なタイミングでしたが、飛車を逃げる手はなかったのでしょうか。
この将棋は▲7五香~▲8五桂が絶好手でそれで終わりという感じでしたね。
羽生強い。トッププロ相手にこの手を決められるのはすごいです。
3局ともミドコロがあり眼福にあずかれました。早指し観戦はまた違った楽しみがありますね。