【感想】カブキブ! 1(榎田ユウリ,2013)

カブキブ!  1 (角川文庫)

カブキブ! 1 (角川文庫)

 積極的に次巻が読みたくなった作品なので感想をば。ネタバレはある。

ベタな設定だけど(・∀・)イイ!!

 歌舞伎部、というところを除けば高校青春部活モノで、お決まりの部員を探すところから始まっちゃったりしてベタベタなんだけど、良いものは良い。むしろ良いから「ベタ」として君臨しているのである。
 クロとトンボの家が隣で、ネリケシを窓にぶつけて連絡を取るって、一昔前のトレンディドラマでももうちょっとひねるぞ。でも良い。クロとトンボがLINEでトークしてるのはあんまりみたくない。ラノベだけどそこらへんの一線を守っているのが良い。

キャラが(・∀・)イイ!!

 ファンクラブの付いてる演劇部員とか音痴なバンドマンとかさすがにベタすぎるだろう。衣装係がコミケのコスプレ衣装界の神ってのは「ラノベ的外し」で自由だ。
 一人一人キャラが立ってて好きなんだけども、やっぱりトンボが良い。一緒にゲーセン行きたい。

歌舞伎カッコ(・∀・)イイ!!

 この巻のミドコロはやはり職員室でクロが教頭相手に歌舞伎のセリフをまくし立てる場面でしょう。正に歌舞伎的演出というのか。
 不思議なもので、セリフが字で書いてあるだけなのにクロのまくし立てが聞こえてくるような、いや、自分がセリフを言ってしまいそうな、そういうリズム感というのか節というのか、そういうものがある気がします。都々逸とか俳句とかそういうのと近い感じ。

 一回歌舞伎観に行ってみたいなあ、とおもいました。