「将棋の強さ」とはなんだろう
自分の頭を整理するためにアマチュアの視点から「将棋の強さ」というものを分解してみたい。私は「知識」と「手を読む力」との2つに分解できると思っている。大局観(形勢判断)についても後述する。
知識
ここでいう「知識」とは定跡の記憶という単純な意味ではなく、「この局面、この形ならこの手が有力」という部分的な手筋をどれだけ知っているか、という意味である。「手筋力」と言い換えてもよいかもしれない。
初級者より有段者の方が「手が見える」のは、局面を見ればどの手が好手になりやすいか、悪手になりやすいか、ということを経験的に知っているからである。
定跡や詰め筋・必死筋などの知識や、「この囲いの固さはこのくらいだ」というような漠然とした経験知識もこれに含まれる。
手を読む力
「手を読む力」は「先を読んだ時の脳内将棋盤のイメージの正確さ」と言い換えられる。脳内で先読みした局面で「知識」を活かした部分的な手筋を見つけることができるか、が勝敗を分ける原因となりやすい。
「手を読む力」は「知識」の補助をする役割であるから、重要度は「知識」:「手を読む力」=10:6ぐらいであろう。
大局観
形勢判断の正確性を「将棋の強さ」に入れるとややこしくなるから今回はあえて外した。もちろん、好手悪手の判定や局面の把握には必要な要素であるが、形勢判断自体が勝敗を分けることは少ないように思う。現局面と先の局面の相対的な評価がある程度できればよいのではないかと思う。
追記(2015/11/20)
そう、私はこういうことが言いたかったんだ!↓
私の好きなハーバート・サイモンの言葉。「状況が手掛かりを与える。この手掛かりをもとに、専門家は記憶に蓄積されていた情報を呼び出す。そして情報が答えを与えてくれるのだ。直感とは、認識以上でもなければ以下でもない。」
— 西尾明 (@nishio1979) 2015, 11月 20
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