【感想】『カンガルー日和』(1986,村上春樹)

村上春樹の短編集。
自分にとっては村上春樹1冊目となります。

いろんなところで名前は拝見するのですが、いかんせん小説が読めない体質なものでして
1冊目がこんなに遅く、また短編集を選ぶに至りました。

全体としての感想は。おもしろい。単純におもしろい。
次どうなるんだろう、と純粋な好奇心でページをめくる手が進みます。

ナンセンス系(非現実系)の作品が多いように感じました。
少し星新一なテイストも香ってるような気がします。

4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
は傑作だと思います。短い文章で心をしっかり動かされました。

「あしか祭り」も好きです。
違和感しかない状況で淡々と進んでいく男と生物の会話。
松本人志のコントのような独特の雰囲気です。

ストーリーがわくわくさせておもしろいのもさることながら、
小説に門外漢な私でも、「売れてる作家は違うなあ」と思わせてくれる筆運びでした。
「読んでいて頭に情景が浮かんでくる」という現象をきちんと味あわせてくれます。

短編集ということもありますが、とても読みやすくおもしろかったです。

こんな空気の短編集、老後に死ぬまで読んでたい。
次は長編も読んでみるかなあ。

カンガルー日和 (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)